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「だいたい、よしのって呼ぶな!」 「いいじゃんよ。 あ、ところで、さっきのお姉さん綺麗だったっしょ? 取引先の受付なんだけどさ」 「興味なし。 私、急ぐから、先行くね」 興味あり。 でも、聞きたくない。 心臓持たないし。 名前呼ばれて、ドキドキしてる。 近くにいたら、きっと分かっちゃう。 「上杉!」 「なに?」 呼ばれて振りかえると、高校時代から変わらない笑顔で、『今日、呑み行こうぜ』と誘われた。 「了解、仕事終わったら連絡するから」 そう答えると、満足気に笑う。 その笑顔を見て、好きが増幅するのを感じる。 そして、不毛な恋から抜けられなって行くんだ。
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