【15年前の冬~Ran】

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.  剛士は飛行機に乗り込み、ファーストクラスで離陸を待つ。  飛行機の窓から見える雪が吹雪始めていた。  機体がゆっくりと動き始める。  ジェト音が徐々に轟き始めたかと思うと同時に、飛行機は陸地から離れて行った。  離陸の安堵感が漂う機内はCAが忙しなく動き廻っている。  雑誌や新聞を頼む者、コーヒーやお茶を頼む者。  剛士は鞄からノートパソコンを取り出して座席のテーブルに置いてセットアップした。  受信メールを開く剛士。  新着メールはありませんの文字が画面に表示された。 〔メールがないやなんて、気持ち悪いなぁ〕  剛士はパソコンを閉じて、コーヒーを頼んだ。  必ず入る筈の、次の仕事の予定メールが入ってなかった。  機内アナウンスが流れる。 「只今、地震の影響により大阪空港への着陸を見合わせております」  関西で地震とは珍しいなと、雲を眺めながら剛士は呟いた。  暫くしてまた機内アナウンスが流れた。 「地震の影響により大阪空港への着陸許可がおりません。よって当機は名古屋空港へ臨時着陸を致します」 「ん? 着陸出来へん?」  剛士はCAを呼び、詳細を尋ねた。 .
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