【15年前の冬~Ran】

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. 「地震、そんなに酷いの?」 「詳しい情報はまだ入っていませんので、ただ大阪空港には、さほど被害はない模様です」 「では、何故着陸できない」 「緊急発着路になりまして……」 「もっと詳しく話して下さい」 「神戸の方が……まだ詳細は、申し訳ございません」  CAに神戸の方と聞いて剛士は娘と妻の安否が気になり始めた。  〔緊急発着路? 地震で? 〕  パソコンを取り出してネットにアクセスする。 「お客様、間もなく着陸態勢に入りますので」  CAにパソコンを仕舞うように注意を受けた。  〔頼む、無事でいてくれ〕  見えて来ない現実が剛士の不安を煽り始める。  理解出来ることは、かなりの被害があると言うことだった。  現に大阪空港が緊急発着路になっている事実が、剛士の仕事柄の感をフル回転させていた。  〔政府が動いている……まさか神戸は壊滅か?〕  ふと、窓越しに外を見る。  自衛隊の輸送用ヘリが三機、剛士の目に飛び込んできた。  編隊を組みながら、剛士の視界から消えていく。  西へ飛行していった自衛隊のヘリ。  向かう先には神戸がある。 .
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