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「あ、雪絵!おっすー」 「おっすー」 ニコっと笑顔で返す雪絵。 「陽花、お前太った?」 「なんであたしへの挨拶はいつもそれなんよ!」 「何でて、お前気抜いたらすぐ太るやん。 お前のために毎回確認したってんねやん。 なー雪絵」 「そうそう。お礼言わんな、ハル」 「何でよ!しかもほんまに太ったから絶対言いたくないわ!」 「「あはは」」 「あははちゃうー!!」 いつでもお前のツッコミはキレがええなー 気持ちええわー とか言うてるこのアホ、 斉藤 福也(フクナリ)。 あたしはこいつに今、 すごく、すごーく言ってやりたいことがある。 「フクちゃん何しに来たん?」 「え、陽花に太ったなって言いにきた」 「やかましいわ」 「うそうそ。『観光学』の授業のレジュメ貸してもらおうと思って。 貸して」 「無理」 「は?何でやねん」 「それがモノ頼む態度か――!!」 あたしの5年分の青春を返せ! と。
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