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そもそも何であたしはあいつなんか好きなんやろ? 「背高いから?」 「んーちゃうなー」 「でもハル、自分が背高いから背高い人好きっていつも言うてるやん?」 3限目。 大教室なんをいいことにあたしと雪絵は教室の後ろの方の席でおしゃべり。 確かにフクはバレーもやってたし、身長185センチもある。 ある、けど… 「ちゃうねんな~身長と~… て、ていうか、あたしもう好きちゃうから!」 「えー?」 「好きちゃうから!そこんとこよろしく!」 せやせや! なんっってどーでもいいこと考えてたんやあたし! もうフク好きなん止めたんやった! 今日からは 「フクなんか好きじゃない陽花」 なんで、いっちょよろしく! 「ていうかさ、別に社学の子とまだ付き合ってるわけちゃうんやろ? ハルのがフクちゃんと付き合いも長いし仲もいいねんから 諦めるの早くない?」 「社学の子のこともあるけど、あたしもうフク嫌やねん」 「何がー?フクちゃんええ子やん」 「ええ子かも知らんけど、 だって…」 「『だって』なに?」 雪絵が不満そうにあたしを見て先を促す。 だって… 5年友達やってるあたしが一番わかってんねん。フクとあたしがどーこーなるとか絶対ないねん。 「とりあえず、『諦めた』んじゃなくて『やめた』の。あんなやつもうどーでもええねん!」 あたしの出した答えに、 雪絵はまだ不満な顔をして。 それからはぁ…とため息をついた。 「…そんなん言うてるけど、 人なんか好きになろうと思って好きになるんちゃうねんから、 嫌いになろうと思って嫌いになれるもんちゃうねんで」 「……」     
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