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段々、文字を書くスピードが速くなっていく。そしてそれに比例するかのようにページをめくる速度もまた段々と
【小説にでもあるように】
【皆君のようにイケメンでみんな可愛いくて皆個性的な高性能の人間がそこらへんに溢れてる訳じゃない】【馬鹿な奴は皆優しいと思うように】
【真実は小説より奇なりとは良く言ったもんだよ】
ガッガッ
いびつな音だった
黒板を間をあけて爪で引っ掻くような
この音が手帳とボールペンから生み出されたのだという事実を、僕はどうしても肯定する事が出来ない
【エレファントマンは存在しない】
【小説の中でエレファントマンは生まれない】
【そして僕はエレファントマンのように
ボブカットの先輩は
話を遮るようにペンを持った少年の手を握った
いや、握ったというよりは
震えの止まるよう相手を抱きしめるように
繊細なものを扱うよう、少年の手の甲の上に自分の手の平を重ねた、と言った方が正しいと思えるように
優しく掴み
「うん君のゆーとおりだ、良し沢田君」
「五月蝿いから黙ってくれないか」
脅迫した
私は五月蝿いと言った先輩にはいくらが好感゙を持った
しかしそれを差し引いても
その口ぶりは酷く暴力的だったと言わざる終えない
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