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雉は拳銃の如く構えられた光の右手に止まると淡い光を帯びた。人差し指が鋭く長い尖った手甲へ形状変化する。
その場から動かぬまま、右手を突き刺すように二度振るう。
あら不思議、距離の離れたあんちきしょうの目が血を噴き出して潰れているじゃないか。
「誰にでもどこまでも届く腕が、ずっと欲しかった。間に合わないことが嫌だった。誰にでもどこまでも届く力。俺の魔法、インフィニティ」
距離を無視する魔法か。流石は我が儘万歳野郎だ、応用次第では世界最強にも成り得る。させん。
それより今は阿修羅だ。目玉を潰しただけじゃ足りない。盲目に慣れられてしまえば終わりだ。
「今だ畳み掛けろ! 情け容赦を一切掛けるな!」
「……うん!」
一瞬躊躇った。甘い馬鹿めが。しかし、目を潰され悶絶している阿修羅は隙だらけだ。問題無い。
「犬」
雉の手甲が光から離れ元の姿に戻る。代わりに犬が淡い光を帯びながら光の元へ駆け寄った。
正統派の太刀。野獣染みた気配こそ感じられるものの、鍔に毛をあしらっている他は綺麗な太刀。
光はやはりその場から動かず、縦横無尽に刀を振り始めた。
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