目を覚ませと呼ぶ声

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古い建物が好き 半分は日陰に隠れてる 錆びた縦長窓の鉄格子 何だか赤い 風化してシミのついたコンクリートの壁 落書きはないけど それは 雲の色 心のずっと奥の色 ねぇ、お母さん こっちにおいでよ ダンゴ虫がいるよ そっちは眩しいよ 早くおいでよ ねぇ、お父さん あの草村が 真っ暗だよ 黄色いお花が咲いてるよ 早くおいでよ 放課後の置き傘みたい 夕日が当たって寂しそう ブランコを揺らす春の風 優しさを感じさせながら この心も通り抜ける 皮の剥がれた大きな古い木に 目を閉じて耳を当てたら 走りたくなった 走りだしたら 何処までも飛んで行く 何処までも 何処までも
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