第1章

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子供の頃から勉強ができ、スポーツも得意だった充弘は周りでも有名で誰もが羨んでいた。 しかしそんな充弘にも不満はあった。 父が研究につきっきりで父との思い出がまったくと言っていいほどないのだ。 叱られたこともなければ褒められたこともない。 最近では顔を合わせることすらなくなっている。 政府に与えられた研究室で一日中研究に没頭しているのだ。 15年前の東京サミットからずっと。 地球の運命に関わる研究をしているらしい。 充弘はもっと父の温もりが欲しかった。 そしてもう一つ。 充弘は朝起きて、朝食を食べ学校に行き、帰ってきて勉強して寝る、ただこれだけの生活を毎日繰り返している。 なんの味気ない毎日をひたすら。 そんな日々から抜け出したかった。
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