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「ごめんっ!!、俺大切な人がいるんだ。美雨ちゃんはいい子だから…もっといい男が似合うよ。俺なんかにはもったいない。」
そう言って優樹先輩は真面目な顔で謝った。
予想はしていたよ?
だけど…
胸が痛い。
ヤバい、涙まで出そう。
「そ、そうですよね…ごめんなさい、今までありがとうございました!あっ今日は送って頂きありがとうございました!」
私は早口にそう言うと、思いっきり笑った。
ひきつっていたかもしれない。
でも。最後くらい笑顔でいたい。最後くらい可愛くいたい。
あたしは走った。
「待って、美雨ちゃんっ!!」
優樹先輩の悲しい声が耳に残る。
もう会わない。
会えない。
もう会えない…。
優樹先輩…!!
こんなに好きだよ。ねぇどうして?
頬を涙が伝う。
歩きながら泣くあたしは変な人に見えるかもしれないけど、そんなの気にならない。
ねぇ、優樹先輩。先輩よりいい男なんていないよ…
ヒックヒック…
ぴ、ぽ、ぱ、ぽ…
あたしの指は勝手に親友、晴輝の携帯番号を押していた。
晴輝は晴れ渡るように明るい、親友。
6月生まれで雨のようにひっこみじあんな、あたしとは反対だ。
プルルルル…
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