1人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしがチューハイの缶を4本ビニール袋に下げて晴輝のアパートのチャイムを押すと、彼はすぐにでてきた。
「おつかれッス」
「…ん。」
晴輝は泣きつかれて無愛想なあたしの手をひいて中へ入った。
***
「「乾杯」」
カチン
チューハイの缶どうしがぶつかって小さな音を鳴らす。
ゴッゴッゴ
「プハあー」
あたしはみんなの前では見せない勇ましいのみっぷりを見せた。晴輝の前では素になってしまう。
「美雨、相変わらずオヤジみたいな飲みっぷりだよなぁ」
晴輝は笑いながら桃チューハイを一気に飲んだ。
あ、やばい。一気に飲んだら酔ってきた…そーいや飲み会でも飲んだような…
「ゆーき先輩のばっかやろー!!」
「あたしをふるなんてどーいうつもりだー」
気がつくと立ち上がって叫んでいた。
「そーだそーだー!美雨をふるなんてバカなヤツだー」
晴輝も立ち上がって叫んでいる。
「俺もなぁ~百合さんに、昨日振られたー!!ばかやろー!!」
えっ??百合さんって晴輝がずっと大好きだった人だよね…
晴輝も失恋してたんだ…
うちらは同類だったんだ。
「そーかー晴輝も飲め飲めー忘れろ忘れろーぉ」
あたしは晴輝に梅酒を渡した。
「飲む飲むー!!美雨も飲め飲めー!」
晴輝はあたしにほろよいラムネサワーを渡した。
最初のコメントを投稿しよう!