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ぐびぐびとお酒を飲みほした晴輝は歌い始めた。
それはRADWINPSのme me sheという、あたしの好きな曲だった。
『僕を光らせて、君を曇らせた
この恋に僕らの夢を乗せるのは重荷すぎたかな
君の嫌いになり方を僕は忘れたよ
あの日どうせなら
さよならと一緒に教えてほしかったよ
あの約束のやぶりかたを、他の誰かの愛し方を
だけど本当は知りたくないんだ
…
こんなこと言って本当にごめんね、頭でわかっても心がごねるの
だけどそんな僕を作ってくれたのは、救ってくれたのは
きっとパパでもたぶんママでも神様でもないと思うんだよ
残るはつまり、ほらね、君だった
僕が例えば他の人と結ばれたとして
2人の間に命がやどったとして
その中にも、きっと君の遺伝子もそっと紛れこんでいるんだろう
今まで本当にありがとう、今まで本当にごめんね
…
この恋に僕が名前をつけるならそれはありがとう』
めったに弱いところを見せない晴輝が…涙をこぼしていた。
あたしは晴輝の首にぎゅっと手を回す。
あたしの目からも、もう枯れたかと思っていたのに、塩辛いモノが流れていたから。
塩分が高い透明な水が2人の頬とお互いの背中を濡らす。
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