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(大海side)
腕の中でクスクス笑い出した結をもう一度抱きしめ直して安心した
そしてようやく、というか、ついに松田との関係を話す事に
□■□■□
結人と再会する前
「なぁ、お前今、彼女は?」
喫煙所で、そう話しかけてきたのは人事部に所属している同期の松田
入社早々、俺が会長の息子だと分かって他の同期とは距離が出来てしまっても、物怖じしない性格のせいか全く気にする事なく話しかけてくるので、いつの間にか気を使わなくて済む友人になっていた
「はぁ?お前聞いてないの?」
「何が?」
「俺、婚約したんだけど」
「はぁ~っ?!!」
驚くだろうな、と思って放った一言に想像以上の反応を示した彼を冷静に見ていた
驚くのも無理もない
今まで特定の相手を作った事はなかったんだから
ゴホゴホと咳込みながらも問いかけてくる
「‥‥に、してもあからさまに嬉しくなさそうだな‥相手は?」
「兄さんに見合いさせられたんだよ、取引先の常務の娘」
「何?いつも断ってたじゃん?そんな断れないほどの相手なわけ?」
「いや?」
「じゃ、なんで?社内一のイケメンも、そろそろ年貢の納め時って事?」
にっ、と笑いながら聞いてきたので俺は首を横に降った
そして一言‥
「顔‥‥」と
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