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(直樹side)
今日も学校が終わってから三上さんの家に来ていた
『お帰り』
「はい、ただいま」
三上さんは普段からあまり自分の感情を口にしない、だからそんな何気ない一言で俺は舞い上がりそうなくらい喜んでしまう
知らず知らずに笑顔になってしまう程に
『ん?何かおかしかった?‥って、また濡れてる』
「あ、傘忘れちゃって」
『クスッ‥濡れるの好きだね』
「いえっ、そういう訳じゃ‥」
でも、ここに来る時は濡れてもいいかなぁ、って思える
それは多分
「あの日の事を思い出して、嬉しくなっちゃうんです」
『あの日って‥』
分かってくれたみたいで柔らかい笑みをくれる
「はい、三上さんが俺の気持ちを受け入れてくれた日です」
『~っ、もぉ、そんな恥ずかしい事はっきり言わないでよ』
年上なのに、全然感じさせない
反応が初々しくて
可愛い
「そんな恥ずかしい事じゃないのに」
それは、そうだけど‥と呟きながら、照れて赤くなった顔を背けるかのように夕飯の準備を始めてしまった
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