故郷

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潮風にあたるのはここを出て以来…。 漁師である父の事を思い出しそうで、ずっと海には行かなかった。 『ただいま…。』 誰もいない錆び付いたバス停で、声に出して言ってみる。 道の向こう側にある小さなお地蔵様も10年前と変わらない。 変わり果てたのは私だけのようだった。
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