1人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
『…りょう?』
不意に声をかけられ振り返ると、背の高い私より大柄な筋肉質の男性が車から降りてくるところだった。
『違ったらすいません…あの、高瀬 涼さんですか?
あの…迎えに行くように言われたんですけど…でも、違ったならすいません!
この辺り、地元の人以外あんま見かけないんで…もしかしたらそうかな~って…でも、俺の知ってる涼はお姉さんみたいに綺麗じゃないから…そりゃ~ゴリラみたいにぼこぼこと俺をって…マジすいません』
よそ者のこないこの街に、溶け込めないほど着飾っていた私に緊張したのか、彼は一気に話しかけた。
『じゅん…あんたなの?すっかり変わっちゃったね。』
『やっぱり涼なのかよ!変わったのはオメーの方だろーが!全然わかんねぇよ。10年も会ってねぇんだぞ。クソッ。お世辞でも綺麗とか言うんじゃなかったぜ。』
『あら。純がお世辞言えるほど大人になるとは思わなかったわ。』
10年ぶりに再開した純は私の大好きな純のままだった。
最初のコメントを投稿しよう!