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純は私のたった一人の弟。
昔からよき理解者で、近所に子供が多くないこの町では、二つ年下の純と遊ぶ事も当たり前だった。
なかなか声変わりしなかった小柄な純。
あの頃の純の面影はどこにもなかったが、人懐っこいくせにあがりしょうな所はまるで直っていないようだった。
太陽に当たらない私の青白い腕と違って、赤黒く光る筋肉質な純の腕を見ると、父親を思い出し、家に向かって走っている車の中でさえ後退りしたいほどだった。
『心配すんな。』
『こんな美人で帰ってきた姉ちゃんを殴らせはしねぇよ。』
『純…。』
『なんつー顔してんだよ、涼。そんだけ綺麗なレディになるのに整形代いくらだったかあとで教えろよな(笑)ま~いくら金かけようが、涼にマイスウィートハニーのべっぴんさんぷりにはかなわねぇけどな!』
『純ッ!』
『ヘヘヘッ。あとで涼おばさんにも抱っこさせてやるぜ、マイハニー。嫁に似てすでに美人だからな~。涼!お前が女に産まれたのを後悔するぐらいの美人だから覚悟しとけよ(笑)』
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