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ひ、ひとり……?
あの未だにケンカ後に河川敷でお互いを讃えてそうな奴らに…?
「ナオが行かないなら、私が気が済むように闘ってくる」
「ち、千沙姉っ!それはさすがに…危険過ぎる!」
「でもナオ行かないんでしょ?ナメられたままじゃ納得いかないもん」
そう言ってスタスタと屋上へ向かう千沙姉を見て思った。
俺ってば…
俺ってばなんてヘタレなんだってばよ…
でも……
痛いのはイヤだ…。昔みたいに千沙姉は助けては……
「逃げるのか?」
廊下に膝をつく俺の肩に、中野が手を置いた。
「お前…千沙さんのこと大好きなんだろ?」
頷く。
「だったら大きくなった今は、お前が千沙さんを護る番じゃねぇのか?」
…中野……!
この言葉で、俺に火がついた。
千沙姉を追い越し、屋上のドアの前まで走ってたどり着いた。
千沙姉を危険な目に合わせてたまるか……っ!
やってやんよ!!
俺は勢いよくドアを開けた。
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