ステージ30 ア・バオア・クー攻防戦(後編)

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瞬間的にアレックスの気がそれる。 ここだ! 裂帛の気合とともにシャゲがアレックスの腹部を蹴り飛ばす。即座に距離を取り、バズーカに狙われた5号機を追う。 断続的に襲い掛かるバズーカを回避しつつ俺の接近を感じた5号機が焦ったようにジャイアントガトリングを放つ。シャゲに向けて放たれたガトリングは、その機体の至近を駆け抜けてゆくがその攻撃は致命的なものにはならなかった。 逆にシャゲに注意が集中してしまったことによってケンプへの意識が薄れ、その接近を許してしまうことになる。 5号機がケンプの接近に気付いたときには既に遅かった。大上段に振りかぶったビームサーベルを必死にシールドで受け止める。2撃目を予想したが、しかし振り下ろされるはずの2撃目はこず、その一撃はBD2によって阻まれていた。 5号機に一撃を加えたケンプだったが、二撃目を加える前に、BD2が接近していることに気付く。BD2の胸バルが火を噴き、ケンプと5号機の間を駆け抜けてゆく。 即座に身を引いたケンプが素早く両肩にバズーカを構え、立て続けにそれを放ってゆく。対するBD2はそのバズーカをあるいは避け、あるいは胸部バルで叩き落しながらケンプに対して接近を試みる。 が、その追撃は僅かな意思のずれによって阻まれてしまうことになる。BD2の下方向から突如接近してきたシャゲが、ビームライフルを放ったのだ。 ケンプに意識の向いていたBD2に対してこのタイミングでのシャゲの登場は予想外だったらしく、やっとのことでシールドを使い防御するが、防御しきれなかった右足がビームの命中を受けてもぎ取られていってしまった。
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