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突然のレッドアラーム。
「何があった?」
それまで余裕の表情で、初めて地球に降りるMSパイロットたちの不安がり様を嘲笑っていたコムサイのクルーたちが、あわてふためいた様子で状況の把握に奔走する。
「セイバーフィッシュです。
本艦8時の方角、数は4!」
「クソッ!
アラスカから上がってきた連中か!」
報告を受けた艦長が短い罵りの声をあげる。
「この地点ならばキャリフォルニアか!
救援要請は出したのか?」
「出しましたが、現在はドップの上昇可能高度を超えています。」
「構わん!
キャリフォルニアからこの地点まで6・7分といったところか。
それまでにはドップでも手が出せる所まで降りられるはずだ。」
「ドップが来るまで攻撃なんてしてこないですよねぇ?」
副操縦席に座った下士官が誰に言うでも無く、縋るように呟く。
「知るか!
不安なら神様とやらにでも祈っとけ!」
艦長が一喝する。
「自動航法システムは解除したな?
よし、今から500m!一気に落とすぞ!」
諸々の確認の後、先程の下士官が本当に祈りを捧げている姿を見てうんざりとした表情をした。
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