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だが次に彼女の口から吐き出された言葉は、とても震えていた。
「バカ…バカだよね…ジン」
「…ぁあ…そうだな…」
「本当…バカだよ…何でなの…」
全部分かっていながら、愛してるなんて言っていたのか。
じわじわ命を削がれていると…偽物の愛と知りながら。
それでも、こんな私を愛していると言えたのか。
「代償が…こんな命じゃ…軽い、もんだ…」
そしてジンは静かに死んだ。
彼女の腕の中で、最後に彼女の名前を呼んで。
復讐の果てに想い描いた通りに彼は死んだ。
でも、終わってなどいない事は彼女が一番わかっていた。
涙している。
愛している。
彼の想いを疑えない。
それが、彼女の全てだったと想う時点で終わりなんかないんだと。
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