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俺は沖さんが教室を出ていくと、教室の窓から雲を眺めていた。空には、大きな雲が少なく、羊雲がふわふわ浮いているのが見えた。俺は羊雲をじっと見つめていた。しばらくすると、風で流されていき、他の雲とぶつかったりして、大きくなったりしていた。 俺が雲を見ていると、麗華がいつの間にか俺の席に来て、一緒に雲を眺めていた。 「羊雲が浮いてますね…。」 「そうだな。さっきから見てるけど、何個かの雲は他の雲とくっついてたな。」 「でも、雲って、同じ形には二度とならないって聞いたことあるので、見れなかったのは残念です…。」 「仕方ないよ。そんなことより、あの小さいの見てみろよ。仔羊みたいで可愛いぜ。」 俺は羊雲の中にある、小さい雲を指差した。 「本当ですね。可愛い雲です。」 すると麗華の顔が、俺の方に自然と近づいてきた。それと同時に、シャンプーの良い香りが風に乗って、流れてきた。 横を見ると、すぐ目の前に麗華の顔があり、しばらく見とれていた。それに気づいた麗華がこちらに顔を向けて、俺を見つめてきた。 「?どうかしました?」 「いや…。なんでもない。」 俺は慌てて雲を再び眺めた。 正直言うと、麗華はすごく綺麗だ。顔立ちもよく、性格も良い。文句なしだ。これで彼氏がいないとは、不思議で仕方ない。
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