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俺と琢磨が追いかけっこをしていると、クラスの連中から声援が聞こえてきた。
「頑張れ直樹~。早くしなきゃ、琢磨のやつ逃げちまうぞ~。」
「琢磨も捕まるなよ~。しっかり逃げ切れ~。」
「頑張って直樹君~。」
「琢磨君も負けないで~。」
俺はちらっと、麗華と政也を見た。二人は笑い合いながら、俺たちの追いかけっこを眺めていた。
そんなことをしていると、前でから大きな物音がした。
前を見ると、琢磨がバランスを崩し、派手に転んでいた。周りからは、あ~…。終わったな。琢磨のやつ。などといった声が聞こえた。
俺はこの機を逃さずに、素早く琢磨の元に駆け寄ると、琢磨の頭をがっちりホールドして、頭を拳でグリグリしてやった。
「琢磨~!!覚悟しろよ~!!」
「うわぁぁぁ!!ちょっ!!直樹!!マジで痛い!!」
琢磨は、じたばた暴れながら、俺の体を手で叩いていた。どうやらギブアップらしい。
俺は琢磨の頭を離してやった。琢磨はグリグリされていたところを、必死に撫でていた。
「あ~。マジで痛かった…。」
「自業自得だろ~。」
俺は自分の席に戻った。
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