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俺が机の上に授業道具を用意してから、しばらくしてチャイムがなった。 「授業始めるよ~。席ついて~。」 国語の教師は、教壇に上がると、クラスを見まわしながら、生徒に話しかけていた。 「は~い。教科書の89ページ開いて。前回の続きから始めるよ~。」 俺は教科書とノートを開きながら、窓の外を眺めていた。さっき見ていた羊雲は消えていて、小さな雲が一つ、ポツンと空を漂っているのが見えた。 俺はその雲を頬杖をつきながら、じっと眺めていた。雲は風に揺られて形を変えながら、ゆっくりと空を漂っていた。 (あっ、今雲の形が、子犬みたいになった。) そんなことを考えていると、声が聞こえてきた。 「‥きくん。・おきくん?直樹君?」 声のする方向を見ると、国語の教師がすぐそばに立っていた。 「直樹君。先生の話ちゃんと聞いてた?」 「えっ、あっ、聞いてませんでした…。」 俺がそういうと、クラス中から笑い声が聞こえた。 「ちゃんと聞いてなきゃダメだよ。次からは気を付けてね。」 「はい・・・。次から気を付けます…。」 俺がそういうと、教師は教壇に戻っていった。俺が政也を見ると、政也は苦笑いを浮かべていた。
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