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俺はその薄暗い部屋で何処かに在るはずのドアを捜していた。
今入ってきたドアはもう無い。いつものように、目を離した一瞬で消えた。
もう、どのくらい此処をさ迷っただろうか?
いつから此処にいるのかも、俺はもう忘れてしまった。
暫く捜すと部屋の隅にドアを発見した。
引っ張ってみる。
開かない。
今度は押してみた。
すると静かにドアが開く。
俺は躊躇うことなく前へ進んだ。
俺の後ろでバタンとドアが閉まる音がする。
一呼吸置いて振り返ると
もうすでに俺の通ってきたドアは消えていた。
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