いじめ

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今は6月。 梅雨の時期に入った。 静香ちゃんは クラスの女子とだんだん 仲良くなっていた。 私だけおいて行かれてる。 そう思った。 本当は正直つらい…。 1人でもいい 友達と思える人が欲しい。 静香ちゃんを見てから 私はそう思い始めた。 そんなある日… 「吉田さん…?」 席替えして近くになった 静香ちゃんが私に声を かけてきた。 初めてクラスメイトから 名前で呼ばれた瞬間だった。 私は今でもこの瞬間を 覚えている。 それぐらい 私にとって大切な かけがえのないものだった。 「吉田さん…?」 私は答えられなかった。 決して無視をしているわけではないが…。 「吉田…香織ちゃん?」 えっ…? 何で下の名前しっているの? 何で…? ふと思った。 『うわー!臭~いカオリがするぅ!!』 『本当だ!臭~いカ・オ・リ!』 『カ・オ・リ!臭~いカ・オ・リ!』 「カオリ」を強調して 言われていたからかもしれない、と。 きっと静香ちゃんは それでわかったんだ。 そうじゃなきゃ わかるわけがない。 こんなに影の薄い私なんかの名前が…
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