―第一話―

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――近江屋の事件から、一ヶ月。 薩摩 あやめ「……ふぅ!」 お洗濯はこんなものかな? きれいに干された着物の列が、私の目の前に広がっている。 その中にまだ少しだけ、血のついた着物が二枚。 ……そう。 これは龍馬さんと、慎太さんの、 あの日の着物。 私が目の当たりにした、 恐怖の証。 龍馬「あやめさーん!飯はまだかいのぉ!」 あやめ「あ、はい!すぐ用意します!」 ふふ、龍馬さんったら。ご飯を食べる元気だけはあるんだからなぁ。 青空に干された黒と若草色の着物を残して、私はお台所ですでに用意していたご飯を二人分もって龍馬さんのお部屋にいった。 もちろんそこには、龍馬さんだけではないんだけどね。 あやめ「さぁ、今日は鯖の味噌煮ですよ?」 龍馬「おっ、うまそうじゃな!のぅ?」
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