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とすると、二つの可能性が出てくる。
陵安先生が未来から来たのか。
それとも、陵安先生の知り合いに未来の人がいるのか。
私が先に考えたのは、彼自信が未来の人だということ。
あやめ「う~ん……」
明日も来るって言ってたし、明日でも遅くないか。
慎太郎「あやめさん、お粥できました!」
あやめ「あっ、ありがとう。」
慎太さんが部屋にお粥を持ってきてくれて、一口食べてみる。
あやめ「……硬い。」
慎太郎「か、硬いですか?」
し、芯が思いっきり残ってるし。
あやめ「水の量ちゃんと見た?」
慎太郎「…す、すみません。」
あやめ「…ウフフ、まぁいいよ。食べるから。ありがとう。」
……陵安先生のことは明日にして、今日はゆっくり寝よ。
慎太さんの不器用なお粥を食べて、私は明日に備えた。
―――翌日。
午前中の内に陵安先生は再び、私の診察に来た。
昨日と変わった様子は見受けられない。
陵安「薬はちゃんと飲みましたか?」
あやめ「はい。少し、楽になったみたいです。」
実際のところ、よく効く薬だったみたい。今日は頭痛がないし、熱も昨日より下がったようだ。
陵安「私の薬はよく効くので、一時的に熱が下がっているだけだと思います。しばらくは絶対安静に。薬も続けましょう。」
あやめ「はい。」
私はおとなしく彼の話を聞いていた。一切の動揺を見せない彼に、私は出来るだけ自然に振る舞うように勤めた。
陵安「経過は良好。また来ますので、何かあったら旦那様にお伝えして、私の診察所まで来るようにと。」
あやめ「はい…そうだ、先生?」
陵安「なんですか?」
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