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【土佐藩・中岡慎太郎】
慎太郎「ふぁあ…。」
暇だなぁ…
傷はもう大分癒えたから、動けないわけではないんだけどな…
龍馬「…のぉ、中岡。」
慎太郎「何ですか。」
龍馬「ちくと考えたんじゃが、暇じゃろ?ほじゃけぇ、町に行って…」
慎太郎「みません。ダメです。」
龍馬「な、なんじゃい。堅物じゃの。」
…………
だって、あやめさんの言い付けだから。
あやめさんが一緒に置いていってくれたお茶をすする。
龍馬「…のぉ、中岡。」
慎太郎「ダメですってば。」
龍馬「祝言、いつあげるかのぉ。」
ブッ!!
慎太郎「ゴホッ、ゴホッ!」
龍馬「お、おい、どうしたがじゃ?」
…ど、どうしたじゃないです!
慎太郎「はぁ…何ですか、いきなり?」
龍馬「いきなりじゃないき。もう一ヶ月もあのまんまじゃろ?考えちょらんのか?」
慎太郎「……か、考えてますよ。」
龍馬「ならなんですぐに挙げんがじゃ?」
慎太郎「そ、それは…その……」
龍馬「ん?」
龍馬さんの追求してくる目がいたい。
俺は思わずうつむく。
……俺だって、挙げたい。
すぐにだって挙げて、正式な夫婦になりたいっす。
でも……
慎太郎「……まだ。」
龍馬「ん?」
慎太郎「…心の準備が、まだなんす。」
龍馬「……は?」
キョトンとした顔をされてしまう。
あぁ、自分で自分が情けない。顔が赤いのが自分でもわかる。
龍馬「ふ~ん…」
慎太郎「…だから、時間が欲しいっす。」
龍馬「ほぉか、ほぉなんか……。よし。それなら、おんしらが決めたらいいきに。ゆっくり決め。」
慎太郎「龍馬さん…あ、ありがとうございます。」
龍馬「ほいでも、早いに越したことはないぜよ。」
慎太郎「…もう。」
どっちなんすか?
半ば龍馬さんにあきれながら、もう一口お茶をすすった。
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