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ヘレン女史は同じく片膝をつき、ベルガ宰相の手を優しく包み込む様に取る。
『民の幸福の為に、共に歩みましょう。』
微笑みを湛えて、一緒に立ち上がる。
その後、２人は様々な話に花を咲かせて夜更けまで親睦を深めた。
………翌朝
『ヘレン女史、すいません。
国へ提出する農業改善案の清書用紙を、紛失してしまいました。』
部下の一人がそんな報告をしてくる。
幸い記入前らしく、文書保管管理の見直しをしなさいと言及して新しい用紙を渡す。
ん？今の彼はヒカル君の試験問題を作成したはず。
ある予感が頭を過る。
直ぐさまに保管していた試験用紙を取り出し確認すると…
紛失したと報告された用紙が、改善案が書かれた状態で出てきた。
それも所詮は子供が書いたものだからとは、何故か一蹴出来ない直感が私を襲う。
まずは内容を詳しく検討してみなくては…
………
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