アニエスのお仕事

9/13
前へ
/216ページ
次へ
『隣街で進めていたプロジェクトが資金不足で頓挫しそうだ。 そうなれば路頭に迷う人が大勢出てしまう。 頼む、資金援助をして欲しい。』 すがり付く様に懇願してくるドレイク。 詳しく聞くと、元々はある貴族の出資で進めていたが、突然に掌を返した様に止めると言い出し… それどころか、今までの資金を返せと言ってきたらしい。 なぜ?と覚悟を決め問い詰めると、もっと見返りの良い方に切り換えると恥知らずな事を言った。 そのまま屋敷を追い出され、後日兵を送り回収しにくると言う事であった。 知り合いの有力な商人にはお願いしたが、これから大口の取引があるから無理だと断られた。 他に頼れる人物も居らず、無理を承知で頼みに来たとドレイクは悔し涙を流しながら言う。 …この時期は確かに大口の取引があり、どの商人も大きな利益を出すチャンス。 アニエス ママは目を瞑り考える。 『…分かりました。 資金援助を致しましょう。』 「「会長!」」話を聞いていた皆が声を出す。 『今は、やり取りが無くなっているが、私達の幼かった頃に隣街に食料援助をして貰ったことがある。 今私達がいるのは、そのお陰だ。』
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1112人が本棚に入れています
本棚に追加