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『隣街で進めていたプロジェクトが資金不足で頓挫しそうだ。
そうなれば路頭に迷う人が大勢出てしまう。
頼む、資金援助をして欲しい。』
すがり付く様に懇願してくるドレイク。
詳しく聞くと、元々はある貴族の出資で進めていたが、突然に掌を返した様に止めると言い出し…
それどころか、今までの資金を返せと言ってきたらしい。
なぜ?と覚悟を決め問い詰めると、もっと見返りの良い方に切り換えると恥知らずな事を言った。
そのまま屋敷を追い出され、後日兵を送り回収しにくると言う事であった。
知り合いの有力な商人にはお願いしたが、これから大口の取引があるから無理だと断られた。
他に頼れる人物も居らず、無理を承知で頼みに来たとドレイクは悔し涙を流しながら言う。
…この時期は確かに大口の取引があり、どの商人も大きな利益を出すチャンス。
アニエス ママは目を瞑り考える。
『…分かりました。
資金援助を致しましょう。』
「「会長!」」話を聞いていた皆が声を出す。
『今は、やり取りが無くなっているが、私達の幼かった頃に隣街に食料援助をして貰ったことがある。
今私達がいるのは、そのお陰だ。』
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