月の遺跡

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月の遺跡

『月の遺跡、調査報告を致します。』 その声が響いた部屋には、学者風の男など数名が資料を手元に話に耳を傾けていた。 『調査隊の責任者が亡くなった為に、一時中断されていましたが後任者の選出により無事終了致しました。 装飾品などを含めた出土品が200点ほどで、歴史的価値は認められますが技術転用可能な物は発見されませんでした。』 今回の一番の目的が空振りに終わり、あちこちより溜め息が漏れる。 『それは残念だな… 途中報告にあった件はどうなった?』 『封印された扉ですが、発掘が進んだ過程で一定の魔法・物理的な力を与えましたが効果ありませんでした。 しかし、その振動にて一部の壁・天井部が崩落、これについては幸い負傷者はおりません。 崩落のお陰で扉の先を確認出来ましたが、何も無い部屋があるだけで、何の理由で封印されていたのかは不明です。 崩落原因については、壁の封印が何らかの要因で消失したのではないかと思われます。』 『そうなると遺跡の調査は、ほぼ終了したと言う認識で良いのかな?』
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