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以上が分かったこと、みんないい人ばかり…新しい家族と思ってもいいのだろうか?
そうだったら嬉しいのだけど。
考えを巡らせていると…そろそろ時間になったようだ。
誕生日…記憶にあるのは、楽しいものではなかった。
「これで、好きなものを買いなさい。」とお金を渡されて終わり。
比べても仕方がないが、招待されて参加した誕生会は、その時の幸せそうな空間に憧れを抱いた。
…どんなかな?と、期待からくるドキドキを押さえてリビングに入る。
部屋の中は綺麗に飾り付けがされテーブルの上には、色鮮やかな手の込んだ沢山の料理が並んでいた。
それを見て驚いていると…
アニエスに、
「今日はヒカルの誕生日だから特別よ」って、満面の笑みでウインクされた。
『…ありがとう、…アニエス。
嬉しい……』
嬉しいのと恥ずかしいので、声が小さくなってしまったけど、アニエスには聞こえたみたい。
抱きしめられて背中を撫でられ、耳元で囁かれた。
『喜んでくれて、私も嬉しいよ。』
その時のアニエスは、心が落ち着く…とても優しい香りがした。
そのやり取りを、暖かい眼差しで見ていた3人も加わり、楽しいひとときが始まった。
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