月の遺跡

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待ちに待った遺跡探険の始まり、気持ちが凄く高揚してくる。 建物の中は、まだ日が射しているのに暗闇の一歩手前ぐらいの明るさしかない。 以前の人達なのか、かがり火を炊いた跡がそこかしらに残っている。 僕達は杖の先に光を放つ道具を付けた物を持ち、辺りを照らしながら探索をしていく。 しかしこれだけ光を取り込む窓などが無いと言うことは、昔には何らかの室内を照らす設備が有ったんだろうと思うよ。 どこに在るのか、そしてまだ使用出来るかは分からないけどね。 でもこれだけ窓の無い構造って、意外と侵入者を排除する為の目的なのかな? そう推測すると、ここは重要な場所だったのかも知れない。 それにしても数ヶ所部屋を見て回ったけど、本当に何もないんだよ… 『何もないね…アレン パパ…』 『あぁ、国の調査隊が入った後だからな、聞いた話だと動かせる物は全て持ち帰ったらしい。』 その話を聞き、少しがっかりして足取りが重くなるヒカル。 『それに、壁画みたいなのもないよ?』 遺跡って言うと、壁や柱などに文字や絵が描いてあるイメージがあるよね? 『がっかりしたのか、ヒカル? もう少し奥に行けば、文字が描いてある扉と部屋があるらしいから頑張れ。』
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