月の遺跡

23/39
前へ
/216ページ
次へ
今まで反応を示さなかった重厚な扉が、静かに開いていく。 その先は先程の部屋、異界でもなければ、どこか違う場所にも見えない。 そのため突然開いた事には驚いた3人だったが、あとは変化がない展開に拍子抜けしてしまう。 『今のタイミング、扉はやはりヒカルに反応したのか?』 アレン パパが、思案顔で扉を触って確めている。 このままいても仕方がないので、一応確認のため部屋の中に入ってみることにした。 すると全員が部屋に入ったタイミングで、今度は扉が閉まっていく。 『おぉ勝手に閉まったのじゃ。 以前にヒカルが言っていた彼方で言う自動・ド・アかのう?』 この世界では承認後に自動で開く扉は存在するが、人の出入りを感知して自動で閉まる扉の概念がない。 科学が発達していないためにセンサーなどの概念がなく、その為にその様な魔法も創られなかった。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1112人が本棚に入れています
本棚に追加