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……沢山おしゃべりをして、手料理をお腹いっぱいに食べる。
沢山笑って疲れたのか、少し目蓋が重くなってきた。
でも楽しくて…目を擦りながら我慢する。
『眠くなったのヒカル?』
クリスが聞いてくる。
まだ眠りたくない。
この時間が終わるのが怖い。
首を振りながら、
「眠くないよ」と答えた。
『もう眠りましょうね。』
クリスは小さくクスッと笑みをすると、ヒカルを胸の前に抱き抱える。
いやいやと、
「まだ皆といる。」とヒカルは愚図るが…
心地よい揺れに、次第に眠気が増してくる。
…やがて幸せそうに、クリスの胸に顔を埋めて可愛い寝息をたて始める。
ヒカルは、気付いていない。
4人のお陰で、遠い昔においてきた筈の…
9才児として本来あるべき姿である、大人への甘えを取り戻し始めていることに。
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