月の遺跡

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あれからリリアナに、いろいろ話を聞いてみた。 ここは月の民が治めていた都市で、人々は発達した魔法科学を使い豊かな生活を営んでいた。 しかし安定した平和な世界に、一つの不安要素が人々の心に影を落とし始める。 それは、この都市構造に起因する問題であった。 リリアナを核とする高度なシステムは、光の力を使用して様々なことを可能としたが… リリアナにアクセス可能な当時の治世者(光の使い手)に、世継ぎが生まれ難くなる。 それに加えて徐々に光の力が弱まり、その完璧なシステムに不具合が発生し始めた。 高度に管理され裕福な生活に慣れ親しんでいた人達には、その崩壊の兆しはまさに世界の破滅を連想させてしまったのだろう。
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