月の遺跡

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『ねえ、リリアナ。 入り口の黒い扉は、どこかに転移する為の門かな?』 重い雰囲気を変える為に、気になっていた質問をしてみるヒカル。 『ヒカル様の考えた通りです。 あれは、ある設定した空間に一瞬で移動出来る転移門です。 簡易の転移陣には無い遠距離と、出発点から目標点の間にある遮蔽物の有無に関係なく転移可能です。』 そのリリアナの返答に… 以前、火の化身であるライヒの転移を見た事のあるヒカルよりも、2人の方の反応が強かった。 『『それは本当か!』』 2人の言葉が綺麗に重なる…息ぴったりだね。 『ヒカルには、転移する為の物かも知れぬと聞いていたのじゃが…』 本当なら凄い発見じゃと、先程とはうって変わり興奮気味の様子。 それもその筈、今の現状で知られている移動手段と言えば、風馬を含めて様々な生き物だけなのだから。 それは生き物ゆえに、運べる量・速度・距離に制限がある。 転移する手段があるのなら運輸の著しい進化であり、様々な恩恵を受け取ることが可能になるだろう。
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