1112人が本棚に入れています
本棚に追加
上からは子を心配し労る鳴き声と、僕らに向けての威嚇する声が交互に聞こえてくる。
降りて来たくとも部屋の狭さと自分が降りる事で、再度の崩落を引き起こす可能性を危惧しているのだろう。
フレアお姉ちゃんの話と、この行動を見ると知能は高いことが伺える。
子供の方も動けない自分に近付く危険な者として、弱々しくもまだ長く伸びていない牙を剥き出して、低く唸り声を絞り出している。
床に流れてくる血の量を考えると、早く治療をしないと手遅れになるかもしれない。
先程からフレアお姉ちゃんが意志疎通を図ろうとしてるが、この状況の為にうまくいかないみたい…
どうしよう…?
早く助けてあげないと!
ヒカルは決意をしてサーベルタイガーの子供に近付いて行く。
『ヒカル!危ない!
むやみに近付くんじゃない。』
アレン パパが、慌てて制止してくる。
最初のコメントを投稿しよう!