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何でかな?
湯船の方が温度は高いはずなのに、抱いているヒカルの方が暖かく感じる。
しかも、その暖かさは身体の中心からぽかぽかと広がって行くの…
のぼせないよう冷たいタオルをクリスは念の為に、ヒカルの頭に置く。
ぴくっとヒカルの身体が反応して、意識が覚醒して来たみたい。
『…お湯から…何か良い香りがする…、クリス ママ。』
『良い香りでしょう?
これは摘んできた花を天日で乾燥して、お湯沸かす時に一緒に入れたのよ。』
リラックスする香りでしょう?好きだけど、なかなか摘みにいけないのが難点なんだけどね。
『ヒカル、身体洗ってあげる。』
いい一人で洗うと言い、洗い始める。
その様子をバスタブの縁に腕枕をしながら見続けるクリス。
まだ短い腕を器用に使い、一生懸命に身体を洗っている。
何気ない子供とのやり取り、本来なら私は一生涯見ることが無かったと思う…
ヒカルを連れて来てくれた、フレアとアニエスには感謝しなければね。
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