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…作戦そのに
『ヒカル、今日は天気も良いから皆でピクニックに行くぞ。』
アレンが戸締りをしながらやって来て、5人で公園に行く事になった。
公園には大勢の家族連れが遊びに来ていた。
「パパ~肩車して~」
「ママ~お腹空いた~」
「ママ、一緒にお花の冠作って~」など沢山の声が聞こえてくる。
『ヒカル~肩車してやるぞ。』
アレンはちょっと躊躇するヒカルを肩車して、公園を駆け出した。
…それからも、周りから聞こえてくる声を参考に、次々とヒカルに同じ体験をさせていく3人。
そして機会を窺っていたアニエスが…
ここで、作戦そのさんを発動した。
『あら、アニエス今日はどうしたの?』
一人の女性が、手を振りながら近づいてきた。
『フェリス、今日は息子とピクニックよ。』
「いいでしょう~」なんていいながら、挨拶を交わしている。
『こんにちは、お名前はなんていうの?』
ヒカルの目線に腰を下ろして、フェリスが尋ねてくる。
『ヒカル、4才です。
はじめまして。』
『そっか~ヒカル君って言うのね。
今日は、アニエスママとピクニックなの?』
そんなことを言われ、チラッとアニエスの方を向くとニコニコと笑みを湛えている。
ヒカルは、顔がだんだん熱くなり、真っ赤に変わっていく。
凄く小さいか細い声で、
「そう…」と答えるのがやっとだった。
それを見たフェリスは、アニエスに頼まれたことをスッカリ忘れて構い始める。
…結局その後は、フェリスがヒカルを独占して帰る時間になってしまった。
しかも、ちゃっかりと一人だけ、
「フェリスお姉ちゃん、バイバイ」なんて呼ばれていた。
3人の羨ましいとの視線をもろに浴びながら…
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