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光玉がまるで微笑むように、淡い光を放つ
『私は、あなたの世界で神と言われる存在です。
ヒカルに来て頂いた理由は、亡くなったあなたに頼みたい事があったからよ。』
…やっぱり俺は、あの時に死んでしまったのだなと曖昧な記憶を思い出して考える。
果たして9年間の人生は、幸せだったのだろうかと…自信をもって有意義だったと言えるかを考えてしまう。
『…頼みたい事とは、何でしょうか?』
『それは、違う世界に転生してほしいの』
『異世界に転生ですか?』
平凡な俺に?
それとも知らないだけで、死後よくある話なのだろうか?
『そうよ、でも転生は滅多になく。ましてや異世界には、今まで無かったことよ。』
そんなイレギュラーな事柄が、なぜ俺に?
頭の中が混乱して、言葉で発していない質問の回答に、疑問を持たず上ずった声を発した。
『俺を、選んだ理由はなんでですか?』
正直意味が分からない、世界中で考えれば日々亡くなる人はどれだけいるか…
『理由は、ヒカルのある特性よ。』
『特性?』
思わず腕を組んで、頭を傾げてしまう。
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