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父の紹介で、商会の重鎮であるバルト殿と会うことに。
『本日は私の我儘なお願いを聞いて下さり、ありがとうございます。
有名なバルト殿に、お会い出来て光栄です。』
この国でも三本の指に入るだろう豪商、失礼があってはいけないと緊張してしまう。
『なんのなんの!
魔法の権威で、噂の美人のクリス嬢に会えるとは、ここ一番の自慢ですわ。』
豪快に笑いながら、気持ちの良い笑顔を向けてくれる。
緊張している私を気遣ってくれての事だろう…
敵わないな…、バルト殿の器の大きさが伺える。
和やかに世間話をした後に、助力をお願い出来ないかを打診すると…
『そうですな~、貴女と年も近くてやり手の女性が一人居りますな。
…ここはひとつ、此方からもお願いがあります。』
姿勢を正し真剣な眼差しになり、先ほどまでのフレンドリーな態度とのギャップに引き込まれる。
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