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◇◇◇◇◇
『こんばんは、クリス様。
アニエスと申します、少しお待たせしまって申し訳ありません。』
約束の時刻から多少過ぎた頃に、一人の女性が話し掛けて来た。
謝罪する時の姿勢と真剣な眼差しを見ると、何か緊急の用件があったのだろうと推測する。
時間にルーズな人物にはとても見えない。
『いえ、こちらこそお忙しい中にお願いを聞いて頂いて、ありがとうございます。
クリスです、宜しくアニエスさん。』
『ほう~なかなかの人物じゃのう。』
突然、第三者の声がどこからか聞こえるが、姿が見えずに少し困惑する。
視線をさ迷わせていると、アニエスさんの苦笑する顔が見えたと同時に、テーブルの上に何かが現れた。
『こ…』
…驚いて、続きの声が出ない。
小人族!
初めて見た…森の賢者であり、聖樹がある森から出ないと言われる種族のはずなのに。
驚き固まる私に構わずに、小人族の女性?が挨拶をしだした。
『儂はフレア、アニエスの保護者じゃ。』
ほ、保護者?
その挨拶に、ますます混乱した…。
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