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『とてもいい香りがする…、何かしら?』
自分を落ち着かせる、微かな香りに気付くクリス。
『これは、そこに咲いているリコの花ね。
乾燥させてお風呂に入れたり、絞って香水の代わりにしてるのよ。
知らなかった?クリス。
あっ!失礼しました、クリス様…。』
ついつい呼び捨てにしてしまった事に気付いて、謝罪するアニエス。
『いいわよ、その代わりに私もアニエスって呼ばせて貰うから。』
ニッコリと微笑みアニエスを見ると、一瞬目を瞬きした後にありがとう、宜しくと言ってくる。
『そう言えばクリス、普段はお風呂に何を入れてるの?』
一般的にリコの花や、果物の皮などを入れるけど、クリスは知らないようだったので興味があり聞いてみたアニエス。
『香りの良いお酒とか、摘みたての薔薇の花びらかしら?』
『クリス…それって…』
アニエスが言葉につまるのは無理もない。
その二つとも高級品で一般の家庭では、そんな使い方が出来ないだろう。
善政をしいている貴族とは言っても、やはりは貴族で生活水準が高い。
その事を伝えると、考え込む様に黙ってしまう。
『クリスは物事を知ってるようで、感覚が少しずれておるな?
それはさて置き2人共、今日はなかなか頑張ったではないか。
後はもっと経験を積んでいくのじゃな。』
懸命に頑張った2人に、満足の様子のフレア。
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