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異世界の夜
誰かが僕を呼ぶ声が聞こえ、同時に肩も揺らされて微睡みから目が覚める。
『…もう朝?』
寝坊しちゃったのかな?とぼーっとした頭で考えるヒカル。
しかし可愛らしい小さな手で擦る瞼には、日の暖かな光は感じられない。
『起きたかヒカル?時間がないからこのまま運ぶぞ。』
この声はアレン パパ?何んだろうと思いつつ、コックンと小さく頷くヒカル。
アレンは、ヒカルを毛布に包んだまま優しく抱き上げる。
屋根に通じる窓から外へと連れ出して、ヒカルが落ちない様にと両足で挟みこむようにして腰を落とした。
少し肌寒い外気が、2人の頬を撫でる。
「ヒカル見てみろ。」とまだ寝ぼけているヒカルを再度起こす様に、体全体を揺り動かすアレン。
ヒカルが目を開けると…
そこには満天の星空の中に、無数の光りの尾が描く幻想的な流星群だった。
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