剣術指南とお姫様

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剣術指南とお姫様

転生した体に馴染んできたのか、最近体が妙にうずうずと、力が溢れだしてきていたヒカル。 体を動かして発散したいな~ と考えて、アレンの鍛練を眺める。 『おはよう、ヒカル。 どうした朝早くに?』 ヒカルに気付いたアレンが、素振りを止めて近付いてくる。 『おはよう、アレン パパ。 パパの動きが綺麗だったから見ていたの。』 「そかー綺麗だったか♪」と誉められて嬉しそうに照れている。 『一緒にやるかヒカル?』 『いいの? 一緒にやる~』 まだヒカルの年齢では早いかもしれないが、幼学年に入る前でも無理させなければ良いだろう。 学校に入ったら本格的に教えようと考えるアレン。 『じゃ素振りをしてみなさい。 見てあげるから。』 教え子用に作っておいた、幼学年用の木剣をヒカルに渡す。 アレンは普段、騎士団や学校の生徒達に教えている。 元近衛騎士団の団長で、若い者にチャンスを与えると、早々と引退してしまっている。 今でも教えを請われて、近衛の教官も勤めていた。 ……… ……最初こそ、もたついていた素振りも前世の勘を取り戻してきたのか、徐々に鋭さを増していくヒカル。 剣速も、とても4才児とは思えないスピードにアレンは瞠目する。 親バカながら、 「この年齢でこの剣速… 筋力が付いてきたら俺より速くなるのでは?」と思わせるほど、ヒカルの技術は高かった。
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