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「楽しそう…」ぽつりと言葉が漏れ、自然と笑みの表情がこぼれる。
花を傷付けないように、その場に腰を下ろして、暫しその幻想的な光景を眺める。
………
時の流れがあたかも遅くなったように感じ始めた頃、一粒の光がヒカルの手のひらに舞い降りる。
留まった光が話し掛けてきた様に感じた…
『こんにちは、楽しい舞をありがとう♪
僕と友達になってくれたら嬉しいな♪』
光を両手で掬うように目の高さまで持ち上げて、話し掛ける。
「ふよふよ~」と光が瞬いたと思ったら、周りから吸い寄せられるように集まり、一つの形をとり始めた。
数度の瞬きを繰り返した頃、手の中には一匹の小さな竜がつぶらな瞳を向けていた。
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