秘密の友達

2/11

1112人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
「楽しそう…」ぽつりと言葉が漏れ、自然と笑みの表情がこぼれる。 花を傷付けないように、その場に腰を下ろして、暫しその幻想的な光景を眺める。 ……… 時の流れがあたかも遅くなったように感じ始めた頃、一粒の光がヒカルの手のひらに舞い降りる。 留まった光が話し掛けてきた様に感じた… 『こんにちは、楽しい舞をありがとう♪ 僕と友達になってくれたら嬉しいな♪』 光を両手で掬うように目の高さまで持ち上げて、話し掛ける。 「ふよふよ~」と光が瞬いたと思ったら、周りから吸い寄せられるように集まり、一つの形をとり始めた。 数度の瞬きを繰り返した頃、手の中には一匹の小さな竜がつぶらな瞳を向けていた。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1112人が本棚に入れています
本棚に追加