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『会いに来たよー
出ておいでよ♪』
と秘密の友達に声を掛けるヒカル。
すると頭の後に何か柔らかい感触と、
「アギャ」と鳴き声が聞こえてきた。
「あはは、いたずらっ子だな~」と苦笑して、両手で包み込む様に目の前に連れてくる。
『元気にしてた?』
『アギャ♪』
『そうか~良かった。
僕も元気にしてたよ。』
『アンギャ~』
ヒカルの頬っぺたにすりすりと顔を擦り付けてくる。
「くすぐったいよ♪」と目を細める。
この後も他愛ないやり取りが続くが、もしも第三者が見ていたならとても微笑ましい光景と顔を緩ませるだろう。
『君と話せると凄く嬉しいんだけどなー♪』
「でも無理だよね。」と竜の頬をつんつんする。
『アンギャ、アギャ!』
任せろとでも言いたげに鳴き声を出し、上空へ羽く。
空中に停止したと思うと、身体が輝きだす。
光が幾何学模様の円を描き、竜の周りを高速で回転しはじめる。
クリスの本で魔法の事を勉強していたヒカル。
この世界の魔法は基本的には詠唱のみ、あのような魔法は知らなかった。
まるで昔に観たアニメの魔方陣みたいと少しわくわくしてくる。
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