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魔方陣は回転を速くするほど大きくなり、ヒカルの側まで来るとピタリと止まり
一瞬
「ピカッ!」と光ったと思ったら呆気なく掻き消える。
「もしかして失敗?」と思い始めた頃、空間を押し退ける様に巨大な何かが現れ始める。
……
そこには、神話などで語られる焔で形作られたフェニックスがいた。
その姿は見たものに勇気を与えるような力強く勇猛な、それでいて包み込む優しさを内包する不思議なものだった。
『久しいな、何百年振りだ。』
『アギャ!』
『そうか、まだ力は戻っておらぬか。』
『アギャアギャ!』
『我が友よ、何が望みだ。』
『アンギャ!』
こちらを示す様に身体を向けてくる。
『フム、人間か…
意志疎通の魔法が必要…
あい分かった。』
瞳を閉じたと思うと…
ヒカルの右手首に銀色に輝くブレスレットが姿を現していた。
『人の子よ、我は火の化身ライヒ。
友の願いでそれを授ける。
それで会話が出来よう。
そして我が力が必要なら呼ぶがよい。』
「もうアヤツの悲しむ姿は見たくないからな…」最後に見た光景を思い出すライヒ。
『ありがとう♪
僕はヒカル宜しくね。』
『あい分かった。
また会えるのを楽しみにしてよう。』
頷き竜に視線を戻すと、その姿をいつの間にか消していた。
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